沖縄県は、毎年5月後半から11月頃まで台風が近づきやすく、農家さんにとってはハラハラの季節が長く続きます。特にここ数年は、毎年平均7.7個の台風が接近し、農作物の被害や土壌の流出など、自然災害の影響で安定した供給が難しい状況です。
このような気候の影響から、農産物の価格も変動しやすく、特に夏場は食材を備蓄しても傷みやすいため、安定供給のための工夫が必要とされています。
そこで私たちは、新しい凍結機で野菜を瞬時に凍らせ、さらに最新の冷凍保存技術を活用して、長期間新鮮さを保てるようにする取り組みを始めました。これにより、台風の影響を受けにくい供給体制を構築し、一年を通して安定して沖縄産の野菜を皆さまにお届けすることを目指して事業を計画しました。
また、こうした保存技術を駆使することで、収穫した野菜を無駄なく活用し、食品ロスも減らすことができると考えています。さらに、これまでは主に流通に限られていた販路を、障がい者就労施設や介護施設、コンビニ、食堂やレストランなどにも広げ、調理の手間を減らした便利な食材としてご活用いただけるようにします。これにより、現場の方々のニーズに応えながら、売上拡大にもつなげていきます。
この取り組みは、持続可能な農業を支えるだけでなく、地域の経済にも貢献することを目指しています。沖縄産の野菜が一年中安定して供給されることで、地域内の消費が促進され、農家さんの支援にもつながるのです。沖縄の豊かな自然が育む野菜をいつでも新鮮に、安心して手に取っていただける未来を、私たちは目指しています。この事業は今月からキックオフとなり、構想を形にする商品ブランディングや製造実験もはじまったばかり。かかわるステークホルダーの皆さまとともに、事業を大切に育てて、目標を達成できるよう、努めて参ります。
(※近年の野菜の卸売価格の変動の激しさについては、下図参照)(画層No.4−2)