「海ヤカラ1号」(洋上設置型海洋深層水取水試験装置)の事業がはじまったのは2000年代初頭。沖縄の海洋深層水に着目し、その豊富なミネラルを活かす試みとして、沖縄本島南部に在る糸満市沖でプロジェクトがスタートしました。海洋深層水の研究自体は1980年代から国内で行われていましたが、地域の産業振興や資源活用の柱として本格的に利用が始まったのはこの「海ヤカラ1号」事業からとされています。
このプロジェクトのきっかけは、地元の農業や水産業にもっと沖縄の自然の恵みを還元できないかという発想からでした。2000年代に入ると、深層水を使った作物栽培や魚の養殖など、地元の産業への応用が進み、実験が繰り返されました。特に農業分野では、ゴーヤやトマトなどの作物に深層水を使った栽培が行われ、通常の水と比べて栄養価や味が向上することが確認され、農家の新たな収入源として広まりました。 さらに2010年代には、観光分野でも「海ヤカラ」事業の可能性が見出され、深層水を活用したスパやリラクゼーション施設が誕生しました。ここでは、観光客が沖縄の自然の恵みを体感しながら、心身ともにリフレッシュできる体験が提供され、年間数万人の訪問者が訪れる人気のスポットになっています。すごいです、海洋深層水は島の宝です。