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能登半島地震「コミセン」の取り組みから

能登半島地震の復興は、単なるインフラの再建に留まらず、地域社会全体の精神的な再生を含む「創造的復興」を目指しています。この取り組みに触発され、私たちも沖縄において、暮らしと環境共生を結びつけた持続可能な社会構築を進める必要があると考えています。

「創造的復興」は、社会福祉法人佛子園の雄谷良成理事長を中心に、一般社団法人生涯活躍のまち推進協議会や公益社団法人成年海外協力協会(JOCA)と連携し、地域の精神的回復にも注力したものです。特に、災害関連死の防止を重要視し、定期的なカウンセリングやコミュニティイベントを通じた心のケアが実施されました。この取り組みは、地域住民同士の支え合い文化を再生し、復興の重要な要素となっています。

復興活動では、医療、食、住環境の向上に注力し、地域医療機関との連携や地産地消の推進により住民の健康を守りつつ、農業や観光業の振興を図っています。震災後の農地復旧や新たな栽培方法の導入が進められ、観光業では震災前の魅力を取り戻すためのキャンペーンやイベントが積極的に実施されています。

また、「NOTO, NOTTO ALONE」というメッセージは、能登を忘れないという意志を全国の支援者と住民の心に刻み、復興活動を支える力となっています。地域のコミュニティセンター(コミセン)の設立も重要な役割を果たし、住民の自立支援や交流の場として機能。高齢者や障がい者、子どもたちを含む多様な人々が支え合い、共に生きる社会づくりを推進しています。

私たちも今年4月以降、能登半島での復興支援を計画しており、沖縄から元気を届けながら、沖縄社会の課題解決にも活かしたいと考えています。特に、沖縄沿岸部、とりわけ宜野湾市以南の西海岸地域は、津波や高潮のリスクが指摘されており、新たな開発には災害対策が不可欠です。

私たちは引き続き、雄谷さんをはじめ、生涯活躍のまち推進協議会、JOCAのみなさんと連携しながら、沖縄型の「創造的復興モデル」を構築するため、農水福商工、医療、教育の連携を強化し、地域資源を最大限活用した環境共生型のビジョンを提案できればと思っています。例えば、

 ・沿岸部の防災・減災インフラの整備(高潮対策、避難施設の確保)
 ・持続可能な食・農業モデルの構築(災害時の食料供給ネットワーク)
 ・地域医療の強化(防災医療体制の構築)など

地域の安全性と生活の質を高め、沖縄の未来に向けた明るい一歩を、地域の皆さんとともに、学び合い、踏み出したいと考えています。

※災害関連死:災害後の避難生活や精神的ストレス、生活環境の悪化により発生する死亡ケースで、特に高齢者に多く見られる。適切な心のケアが不可欠。

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