このページでは、ドローンを飛行させるために利用されるWi-Fi(2.4GHz)と機体の関係について詳しく解説しています。
Wi-Fi(2.4GHz)でつながる仕組みとは

ドローンを飛行させるためには飛行方法を選択する必要があります。ドローンを飛行させる方法は大きくわけて2つあります。
- Wi-Fi(2.4GHz)で接続
- プロポ(送信機)と受信機を結ぶ
国内において電波規格は無数にありますが、ドローンで使用できる規格は「電波法」によって決まっており、それがWi-Fi(2.4GHz)です。 このWi-Fi(2.4GHz)の電波を利用しドローンとプロポやスマートフォンと結ぶことにより、ドローンの操縦はもちろん画像や映像の伝送も行うことが可能になります。
Wi-Fi(2.4GHz)なしで飛ばすことはできる?

現在発売されているドローンには機体に「受信機」を搭載しているのが一般的となっています。
この本体に搭載されている受信機と「プロポ」と呼ばれるコントローラー(送信機)を結ぶことでドローンを操縦することができます。
Wi-Fi(2.4GHz)とプロポ(送信機)を使用する最大の違いは2つあります。
- 最大伝送距離
- 操作方法
最大伝送距離
最大伝送距離とはドローンとプロポまたはスマートフォンとを送受信できる距離のこと。
ドローン本体によってこの距離はさまざまですが、ドローン業界で有名なDJIのMavic Proを例にあげるとWi-Fiとプロポ(送信機)では次のような違いがあります。
- Wi-Fi:距離→ 80m 高度→50m
- プロポ(送信機):距離→4km
ただし、上記の距離・高さは障害物や干渉、風などがない場合の数値になります。実際の状況に応じて飛行距離・高さは変動しますのでご注意ください。
操作方法
2つ目は操作方法の違いです。
プロポ(送信機)を利用する場合はその名の通りコントローラーを使用して操作することになります。
ドローンで使用するプロポ(送信機)は従来のラジコン操縦機のような作りになっているため、実際のスティックを前後左右に動かしながら操作します。感覚的に操作しやすく使いやすいのが特徴です。
それに比べ、Wi-Fiでつなぐ場合は操作する操縦機はプロポ(送信機)ではなくスマートフォンやタブレットになることがあります。
この場合、実機ではないため画面上での操作になるので操作するのが難しくなります。慣れるまでは少し時間がかかることを覚えておきましょう。
スマホから電波を飛ばしているわけではない

勘違いしやすいですが、ドローンを飛行させる場合の電波は決してスマートフォンの電波を使用しているわけではありません。
基本的には使用するドローン専用のアプリをダウンロードし、「飛行させるドローンのWi-Fiを選択」します。スマートフォンとドローンを紐付けることでドローンを飛行させることができるようになります。
接続が完了すれば、専用アプリを起動させてドローンを操縦しましょう。
Wi-Fiはどのくらいの距離有効?

Wi-Fiを利用した際のほうがプロポ(送信機)で操縦するよりも飛行距離が短くなるドローン。ここでは「DJI製品」を例にあげプロポ(送信機)とWi-Fiとの飛行距離についてご紹介していきます。
【DJI】 Mavic Air
- Wi-Fi(2.4GHz)の場合:距離→80m 高度→50m
- プロポ(送信機)の場合:距離→2km
【DJI】Mavic Pro Platinum
- (2.4GHz)の場合:距離→80m 高度→50m
- プロポ(送信機)の場合:距離→4km
プロポ(送信機)であれば2kmや4kmの距離で有効なのに対し、Wi-Fi(2.4GHz)を利用して飛行するとなると距離が大きく減少します。
少しでも遠く高く飛行させたい場合はWi-Fiではなく、プロポ(送信機)を使用して飛行させましょう。
2.4GHz帯で注意すること
電波の干渉
普段わたしたちが生活しているなかで、実は2.4GHz帯の電波はとても身近なものにも利用されています。
たとえば、無線LANやスマートフォン、自宅のなかでいえば電子レンジなども電波の干渉対象にあげられます。
電波が干渉し合うことになると電波が弱まるため通信速度の低下、最悪切断の事態になりかねません。
また、人が多くいる場所や電波塔の近くなども干渉してしまいます。電波状況が安定しない場所で飛行させてしまい、万が一墜落させ人や物に損害を与えてしまうことになると取り返しがつきませんよね。 そのため、飛行させる場所はあらかじめ電波状況をチェックしておく必要があります。万全の状態で飛行させることはほかでもない「あなた自身を守る」ことにつながります。
快適マークの有無

2.4GHz帯の電波を利用する場合は特別な資格は必要ありませんが、飛行させるドローンに「快適マーク」がついているかどうかの確認を怠らないように注意しましょう。
快適マークがついていないドローンは電波法で定められている技術基準に適合している証明になります。
仮に快適マークがついていないドローンを飛行させた場合、電波法違反になる恐れがあります。ついてないドローンを飛行させる場合はあらかじめ総合通信局へ問い合わせておきましょう。
5.0Ghz帯は利用できる?

2.4GHz帯と比べて、5.0GHz帯の電波はほかの電波同士と干渉することが少なく、安定的に通信できることがメリットになります。
しかし、5.0GHz帯の電波は用途が細かく分類されており、なかでも注目すべきは「5.7GHz帯」の電波です。この電波は2016年8月にドローン等無人ロボット向けに開放された電波です。ただし、この電波を使用する場合は趣味・業務関係なく資格が必要になります。
趣味の場合で使用する場合は「アマチュア無線4級の取得」と「無線局の開局」の手続きが必要になり、主な用途はドローンレースなどでの「画像伝送」などになります。
また、業務で使用となると「無線局の開局」と「第三級陸上特殊無線技士の免許の取得」をしなければ使用することはできません。
ドローンで使用することを禁止されているわけではありませんが、2.4Ghz帯の電波に比べると少しハードルが高いといえるでしょう。