ドローンの目視外飛行とは?許可・申請は必須?

このページでは、ドローンの目視外飛行について詳しく解説しています。これからドローンを飛ばす人、そして200g以上のドローンを使っている人はぜひご参考ください。

ドローンにおける目視外飛行とは?

ドローンの目視外飛行とは、ドローンを操縦している本人の目で常時監視せずに飛行させることを定義としています。

たとえば、空撮のためにドローンを飛行させる場合、リアルタイムで「モニターの映像」を見ながら操縦します。しかし、この操縦方法は「直接」ドローンを見ているわけではなく、モニターを通してドローンが映しだしている映像を見て操縦しますよね。これが目視外飛行にあたります。

ドローンの目視外飛行については「航空法」という法律で規制されているため、目視外飛行を行う場合は事前に国土交通大臣の許可・承認が必要です。

目視外飛行を行う場合は、あらかじめ国土交通省に申請しておきましょう。

なぜ目視外飛行許可が必要なのか

前章でもサッと触れましたが、主な理由は航空法を守るためです。法的に決められているので、目視外飛行の許可申請が必要となります。

目視外となると、どうしても機体の姿が見えなくなってしまうので、その分リスクが伴ってしまいます。例えば、周りの建物や木、崖などが自分の目で直視できなくて墜落させてしまったという例もあります。

そういった墜落リスクを最小限にするためにも、基本的に航空法では目視内での飛行が定められているのです。

目視外飛行許可申請には10時間以上の訓練が必要

目視外飛行させるためには、2つの条件をクリアしていなければいけません。

  • 国土交通大臣の許可・承認
  • 10時間以上の基礎フライト経験

とくに「10時間以上の基礎フライト経験」については安全な場所で経験者から指導をしてもらう必要があります。

また次の飛行技術を習得しなければなりません。

【対面飛行】
対面飛行により、左右方向の移動、前後方向の移動、水平面内での飛行を円滑に実施できるようにすること。

【飛行の組合】
操縦者から10m離れた地点で、水面飛行と上昇・下降を組み合わせて飛行を5回連続して安定して行うこと。

【8の字飛行】
8の字飛行を5回連続して安定して行うこと。

上記の条件を満たすことで、目視外飛行のするための条件をクリアしたことになります。

目視外飛行 許可申請のやり方は?

目視外飛行を行う場合の許可申請は、オンラインによる「ドローン情報基盤システム」か「郵便申請」、「持参」と3つの方法で申請することができます。

スムーズに申請を行いたい場合はオンライン申請がおすすめです。

個人で申請する場合は「個人」を選択、企業や法人として申請する場合は「企業・団体」を選択しましょう。

申請するにあたり、登録すべき内容は大きく分けて2つあります。

  • 無人航空機情報の登録
  • 操縦者情報の登録

「無人航空機情報の登録」は、主に使用するドローンの製造会社や機体名称、機体の種類などの情報を記入します。

「操縦者情報の登録」は、氏名や住所など基本的な情報を記入します。しかし、ここで注意してほしいポイントがあります。それは「これまでの飛行の実績について」の入力欄です。

こちらの項目で総飛行時間の合計が「10時間未満」の場合は、業務としてドローン飛行の申請ができません。

仮に総飛行時間が10時間に満たない場合は、2つの方法のどちらかを実施してから申請しましょう。

  • 10時間以上の飛行訓練を実施
  • 飛行訓練のための申請

もっと細かく申請の記入方法が知りたい方は申請に関する「指南書」がありますので、確認しながら進めてみてください。余談ですが、ドローンの飛行に関する手続きは申請サイトですべて完結できるため、ほかに特別なソフトウェアなどは必要ありません。

目視外飛行に関するよくあるご質問

その他、当社にもよく寄せられる、目視外飛行に関するよくあるご質問をまとめました。

有人地帯での目視外飛行は禁止?

2021年現在、友人地帯での目視外飛行は航空法の飛行方法によって禁止されています。

  • 日中での飛行
  • 目視の範囲内
  • 距離の確保
  • 催し場所での飛行禁止
  • 危険物輸送の禁止
  • 物件投下の禁止

上記の6項目が航空法で規制されている飛行方法となります。目視外飛行以外の場合でも、上記にあてはまる飛行をさせるときは、国土交通省の許可・承認が必要になります。

目視外飛行は補助者なしでも可能?

現行のルールでは、目視外飛行する場合は「補助者は必要」です。

さらに、補助してもらう者は誰でも良いわけではなく、ドローンの特性を十分理解している者でなければなりません。

しかし、補助者なしで目視外飛行させることは不可能ではありません。補助者なしで目視外飛行させる場合は、「飛行経路」を特定して申請する必要があります。

現在、補助者なしで目視外飛行ができる場所は次のとおり。

  • 海水域
  • 河川
  • 湖沼
  • 森林
  • 農用地
  • ゴルフ場など

密集地帯ではなく、人も少ないところであれば、補助者なしで目視外飛行しても大丈夫と認識しておいても良いでしょう。

200g未満のドローンは目視外飛行の規制対象外?

2021年現在、目視外飛行を含む「航空法」では、200g以上のドローンに適用される法律となっているため、200g未満のドローンは目視外飛行の規制対象とはなっていません。

しかし、2020年12月に国土交通省が次の発表を行いました。

ドローンの新制度の方向性

ここで注目すべきは右下の「所有者の把握」の箇所です。

この項目の最後に「※施行にあわせて登録・許可承認の対象となる無人航空機の範囲を100g(現行200g)以上に拡大」とあります。

航空法改正済みとの記載もありますので、2021年度中にはなにかしらのアナウンスがあるでしょう。

これが施行されれば、100g以上のドローンはすべて航空法の適用となるため、国土交通大臣の許可・承認が必要になります。 現在使用しているドローンが100g以上200g未満の方は注意してください。

特に現在DJI Mavic miniシリーズを使っている人は、現状200g未満で許可申請の必要なく飛行できていますが、この新制度が施行されるとできなくなるので気をつけましょう。

2022年から街中でも目視外飛行が当たり前になる可能性もある

2022年度には現在よりも「簡単に目視外飛行が行えるようになる」かもしれません。

ドローン新制度のイメージ

2015年12月に設置された「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」で定義した「空の産業革命に向けたロードマップ~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」のなかでレベル4の実現は「2022年度~」と具体的に時期を示しているためです。

このまま行けば、2022年には現在よりも簡単に目視外飛行が行えるようになります。しかし、操縦者の技術やドローン本体の安全性などクリアしなければならない問題も多々あるため、今後の動きに注目しておきましょう。