どんなベテラン操縦者であっても、絶対に事故を起こさないとは言い切れないのがドローンです。実際に起こったドローンの事故事例についてご紹介するとともに、どんなことに注意して飛行させるべきかを解説しています。
事故事例①:電線に接触
事故を起こしたのは農業関連業者の方。
空中散布のためドローンを飛行させていたところ、電線に接触し損傷させてしまった事例です。
事故事例②:空撮時に墜落
空撮業者がドローンを飛行させていたところ、電波が途絶えドローンが落下した事例。
落下時に人の負傷や物件の被害はなかったようです。
事故事例③:遭難者探索救助中に紛失

北海道の行政機関が遭難者探索救助のため飛行させたドローン、電波の通信が悪くなり帰還操作を行ったがドローンは反応せず山中に紛失した事例です。
後日の探索で紛失していたドローンは発見され、人の負傷や物件などの被害はありませんでした。
事故事例④:操縦練習中に墜落
操縦練習のためドローンを飛行させていたところ、操縦を誤りドローンが墜落。ドローンから発火して火災が発生した事例です。
これ事例では人の損傷や物件の損傷はなかったようですが、墜落の仕方が悪ければドローンから発火するということを思い知らされた事例ではないでしょうか。
これがもし森や林などに墜落していたら…と考えると怖いですよね。
事故事例⑤:農業散布中に人と車に接触して墜落
農業散布のためドローンを飛行させていたところ、風に煽られ付近にいた人と車に接触して墜落しました。
この事例では、人が負傷し車も損傷したようです。今回使用したドローンは農業散布用ということで重量も200g以上と考えられます。また、ドローンは高速にプロペラを回転させ空を飛ぶため、衝撃は相当なものでしょう。
負傷した人の状況などは詳しくわかりませんが、ドローンを飛行させる場合は細心の注意を払う必要があります。
出典:国土交通省
事故原因で最も多い事象は?

ドローンの事故原因で最も多い事象は「操縦者の経験不足」があげられます。
操縦練習中の事故はもちろん、目視外飛行においてモニターに夢中になったり周りの状況の確認が疎かになったりと注意力散漫になりがちです。
また、拙い飛行技術で撮影も同時進行で行う場合も事故が起こりやすいケースといえます。まずは安定して飛行させることができる技術を身に付けたうえで次の行動に移るようにしましょう。
事故を防ぐには何に注意するか?

まずは自身の「操縦技術の向上」が必須といえるでしょう。
安定して飛行させる操縦技術がなければ、ドローンを使用してなにかほかのことをするのはほぼ不可能と言えます。
また、ドローン本体のメンテナンスも事故を防ぐには欠かせない大切なことです。飛行中に起こる制御不能で墜落するケースはドローン本体の不具合によるもの。
飛行前にチェックしておけば防げる可能性があります。飛行させる前は必ず本体のチェックを欠かさないようにしましょう。
さらに天候も事故を防ぐためには重要なポイント。強風の日や天候が悪い状況のなか飛行させると墜落や紛失事故につながります。
このように飛行させる場所の確認・情報収集を怠ると、思わぬ事故でドローンの故障や紛失するため必ずチェックするようにしてください。
ドローンを操縦していれば、すべての人が事故を起こす可能性があることは重々承知だと思います。民間資格を持っていて飛行実績も十分、ベテランと呼ばれる操縦者であっても事故は起こすことがあります。
そのため、できる限り事故を起こす確率を低くするような準備をしておきましょう。
万が一事故を起こしてしまった時の対処方法

まずは負傷者がいる場合は救護しなければいけません。救急車が必要であれば早急に手配しましょう。
次に行うべきはドローンのバッテリーを外すことです。墜落した衝撃によりバッテリーから発火する恐れがあるため、速やかに取り外しましょう。そのあと、飛行させている関係者に連絡します。
さらに、ドローンの飛行で事故を起こしてしまった場合は、許可・承認をとった各行政へ事故内容を報告しなければなりません。原則は国土交通省になりますが、空港周辺などで飛行させている場合は地方航空局になります。
報告が必要となる事案・内容は次のとおり。
【報告しなければならない事案】
- ドローンの飛行によって人が死傷した場合
- ドローンの飛行による第三者の物件が損傷した場合
- 飛行中にドローンが紛失した場合
- ドローンが航空機との衝突・接近した場合
【報告する内容】
- ドローンの飛行許可の年月日
- ドローンを飛行していた操縦者の名前
- 事故が発生した日時と場所
- ドローンの名称
- ドローン事故の概要
- その他参考となる事項
どれだけ事前準備しても突発的に起こる事故は防ぎようがありません。
それでも、何も準備しないよりはいざ起こったときに素早く対応できるため、今回ご紹介したことを忘れないようにしておくことをおすすめします。